体験記 生まれた時 自分の体験

我が子が生まれたときを振り返る

この記事を書いている現在(2020年6月)私には、11ヶ月になる息子がいます。

もうすぐ1歳の誕生日を迎えられることを本当に嬉しく思っていますが、この子が生まれる時はすこし大変でした。

早いもので一年たとうとしていますが、忘れないうちに記録に残しておこうと思います。

目次

陣痛から生まれるまで32時間

陣痛から32時間という時間は、出産においてはとても長い時間です。

もちろん一番苦しいのは、その時間痛みに耐えた妻なのは間違いありませんが、ずっと横にいるだけしかできなかった私も、私にとっても人生で一番苦しかった時間でした。

うちの場合は先に高位破水(子宮の高い位置から)しました。

時間は夜8時頃で、陣痛タクシーを呼んで、病院に行き入院しました。

そのときは、まだ陣痛がきていなかったので、私は家に戻り、次の日はとりあえず仕事にいきました。

次の日、促進剤が打たれる

次の日になり、とりあえず仕事に行きました。

容態が変化したら、病院にいくつもりでした。

午前中の11時頃に妻から電話が来ました。

聞いたことのないようなとても辛そうな声で、もうすぐ生まれるかもしれないから早く来てという電話でした。

できるだけ早く現場から戻り、午前中で早退し、タクシーにて病院まで向いました。

(会社から病院までタクシーですぐ行ける距離だったので、10分くらいでいけました)

病院に着くと、助産師と妻が病院の陣痛室にいて、妻が「痛い痛い痛い痛い」としきりに声を上げていました。

私の妻は基本的に冷静なため、その声を聞いて、相当な痛みなのだとわかりました。

昨日までは、破水しても全く普段と変わらない様子だったので、うちの場合は案外簡単に出産終わっちゃうんじゃないかと安易に思っていましたが、

全くそんなことはなく、私が想像してるよりもずっと大変なことなのだと気付きました。

痛みの原因はもちろん陣痛によるものですが、私の妻の場合は先に破水してしまったため、

その日の朝から陣痛促進剤を打ち、その後すぐに陣痛が始まりました

何もできない夫

私は陣痛から生まれるまでずっと病院で立ち合いをしましたが、夫の私にできることはほとんどありませんでした。

助産師のように何かをすることもできなければ、妻の痛みも辛さもわからないので、ただ見守るしかできませんでした。

唯一私がやったこととすれば、売店に『ウィダーインゼリー』をひたすら買いに往復したことです。

この日ほど人生で、『ウィダーインゼリー』を必要としたことはありませんでした。

もちろん病院でご飯はでますが、陣痛の痛みでまともに食べられるはずもなく、病院から出されたものは全く食べることができませんでした

唯一できるのが、水分補給をするくらいで、かろうじてウィダーのようなゼリー飲料を流し込めるぐらいでした。

出産はとても体力を使うので、まともな食事は食べられませんが、栄養摂取は必要なので、手軽にカロリーが取れるゼリー飲料にはとても助けられました。

もし、これから出産する人がいれば、薬局やネットなど安いところでゼリー飲料を大量に仕入れておくことをおすすめします。

定価で買うととても高いです。(そのときはウィダーだけで5千円ぐらい使いました。)

一応いるだけでも、助けにはなるみたい

夫には特に直接何かできることはありませんが、妻が言うには、いてくれるだけで少しは楽になるとのことでした。

一緒にいるか、売店でウィダーを買いにいったぐらいしか、できていなかったですが、

しかし、それだけでもだいぶ楽になると妻は言ってくれていたので、とりあえず一緒にいれた意味はあったのかなと思います。

男には本当にどんな痛みなのかどんな辛いことなのか、永遠に分かる日はきませんが、

出産というものが女性が人生に数度しかない命がけの大勝負であることは間違いないありません。

そのため、できることなら夫婦共々で臨めたらよいと思います。

赤ちゃんは超のんびりやさん

促進剤を打ち、陣痛が始まってから、妻は常にものすごい痛みと戦っていました。

しかし、いつまでたっても分娩室につれて行かれることもなく、様子見を続けるのみでした。

妻より後に陣痛室に入ってきた人が次々と出産していなくなっていく中、私たちは変わらずに陣痛室に残り続けました。

理由は、陣痛の周期がかわらないこと(出産近くには痛みの周期が短くなる)と、赤ちゃんの位置が動いていないため、出産の準備にはまだ移れないということでした。

どうやら、母親側は生む準備ができているのに、赤ちゃん側はまだ全くでてくる気がないのんびりやさんだったのです。

しかし痛みは続く

赤ちゃんがのんびりしているといっても、妻の痛みは続きますし、破水しているので羊水もどんどんなくなっていくので、実際問題のんびりはしていられません。

そして服用している陣痛剤自体もあまり多量に使用すると母子ともに悪影響がでるため、極端に量を増やしたり、長時間打ち続けることはできません。

待っている私としては、なぜ分娩室に連れて行ってくれないのか、いつになったら生まれるのかとずっと不安でした。

私は病院にいってからすぐに生まれると思っていたのに、全然生まれてこないため、一生このまま生まれてこないのではないかと不安になっていました。

一夜越え、さらに状況は進展せず

病院にいったその日中には当然生まれると思っていた私でしたが、考えが甘く、あっという間に夜になりました。

夜になっても陣痛は続くので、やはり妻は眠れずに痛みと戦っていました。

横にいた私は、キャンプで使うような少し寄り掛かれる椅子を用意してもらい、休みました。

とはいえほとんど寝れずに、明け方ごろに少しだけ眠り、またすぐに朝になりました。

以前、日が変わっても痛みは変わらずですが、あまり進展はなさそうでした。

いつになったら、生まれてくるのかと本当に不安でした。

分娩室に移動

次の日の朝になり、さすがに午前中には生まれるだろうと思っていましたが、

なかなか生まれる気配もなくあっという間に午後になりました。

その日は土曜日だったいうこともあり、他の妊婦さんはおらず、助産師の方がほとんどつきっきりで見てくれました。

私たちだけだったので、早めに分娩室に入り、そこで最後の追い込みをかけました。

分娩室に入るのだから、すぐ生まれるだろうと思った私ですが、結局そこから約3時間踏ん張り続ける必要がありました。

ついにその時が

32時間のときを経て、ようやく待ちに待った瞬間がやってきました。

赤ちゃんはギリギリになっても相変わらず、のんびりしていたいたようで、生まれる寸前までなかなか動かず大変でした。

促進剤ももうこれ以上、上げれないレベルまで投与していて、これ以上投与量をあげると赤ちゃんに問題がでてしまうとのことでした。

促進剤ももう打てない、赤ちゃんも動きが悪いということでしたが、なんとかひっぱり出そうと助産師さんとお医者様そして妻のがんばりがあり、

なんとかその瞬間がやってきました。

泣き声が聞こえた瞬間に、小さな命が誕生したことが実感でき、言葉では言い表せないくらいの感動がありました。

本当に、本当に無事生まれてきてくれてよかった」と心から思いました。

いままでで体験したことのないくらい素晴らしく神秘的なもので、長い不安から解放され、涙が止まりませんでした。

本当にこのときの気持ちを言葉で表すのが難しいですが、いままで常識や大事なものの順位が全て入れ替わるようなとても重要で神聖な出来事でした。

生まれた瞬間の動画を見返すと今でも涙がでてきてしまい、現在11ヶ月の息子を見て、本当に大きくなったなと思います。

とにかく無事に生まれてきてくれて本当によかったとい気持ちでいっぱいでした。

生まれた後に出血がとまらず焦る

生まれた後、本来ならハッピーで終わると思ったのですが、助産師さんたちの様子が少し焦ってるような感じがして、異変に気付きました。

どうやら出産時に少し切ったところからの出血が止まらないようでした。

点滴を急いで準備している様子を見て、私はさらに不安に襲われました。

妻が死んでしまうのではないかという恐怖です。

幸いお医者様が止血をしてなんとか止まったのですが、血液が1リットルくらいでてしまっていたようで、このまま血が止まらなかったら危なかったのではと今でも思います。

みんなが焦る中、冷静に対処していただいたお医者様には、本当に感謝です。

出産するならできるだけ大きい病院がいい理由

このときは、近くの小さな病院ではなく、色々な設備が整っている大きい大学病院で本当によかったと思いました。

大きい病院だと、色々な科の医者も多く、緊急事態にも対応しやすいため、万が一に備えて、出産を迎える人は大きな病院に通った方がを良いと思います。

実は、妻の友人もほぼ同時期(1〜2日ずれ)で同じ病院で出産しており、その出産時は私たちよりも遥かに危険な状態で緊急手術が必要な状況だったそうです。

その友人の夫は奥さんか子供かどちらかを選んでもらうかもしれないと言われたほど、壮絶な状況だったようですが、結果どちらも助かり、今では奥さんも子供も元気にしています。

これが、小さな病院や個人の産院だった場合、助かっていたかわからないので、何もなければ良いですが、本当に病院選びは大事だと感じました。

男側から見て出産に立ち合った正直な感想

子供が生まれて、めでたしめでたしなのですが、この出産の立ち合いは人生の中で一番と言えるほど大変な経験でした。

「お前出産してないだろ」といわれればそれまでなのですが、

この32時間という長い時間と無事生まれないのではないかという不安が凄まじいストレスとなりました。

最初から、32時間かかるとわかっていれば耐えらられるのですが、私としては常にあと1時間で生まれると思っての32時間だったので、本当に長く感じました

知り合いに聞いても32時間かかったところはあまりなく、7時間ぐらいでつらかったといっていた男がいたので、喝を入れたくなりました(嘘です)

ともあれ、妻と子供が無事に元気でいることが本当に今幸せです。

このまま無事に育ってくれれば一番良いのですが、人生何があるか分かりません。

私が生きていられる限りは全力でサポートしていきたいと思います。

おわり

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